経営存続の意欲がある系列店の販促支援策は、パナソニックが以前から「変身ショップ」や後述の「スーパープロショップ」、さらにパナソニック エクセルスタッフ・松下幸之助商学院による後継者募集・育成や起業相談会などという形で強化してきた。しかし他社はその施策(特に従業員募集と後継者育成)が出遅れ、パナソニックに大きく水を開けられる形となった。よってパナソニックショップの場合は(後継者難などで)店を畳む系列店の割合が比較的低いが、他社についてはその割合が(パナソニックショップより)高い。理由はパナソニックの場合「系列店を構造改革しながら量販店市場を拡大」してきたのに対し、他社は「(意欲ある店に対して販促支援をせず)系列店を蔑ろにして量販店市場を拡大」してきた為、結局は「”やる気があるなら徹底的に支援する”というパナソニックの長年にわたる施策に支えられた”優秀なパナソニックショップ”」が他社系列店を凌駕する形になったからである。 結果、パナソニックショップは地域電器店で組織する業界団体「全国電機商業組合連合会」加盟店の実に7〜8割を占める形となった。またパナソニックショップを管轄するパナソニックコンシューマーマーケティングLE社には「不調な他社系列・他業種の小売店から好調なパナソニックショップへ鞍替えしたい」という起業相談が近年急増し、この事もパナソニックショップ以外の他社系列店減少に拍車を掛けている。 今も健在する「街の電器屋さん」(四国中央市土居町)一度は家電量販店に追われる形でその役目を終えたかの ように見られていた「街の電器屋さん」だが、1990年代後半から2000年代に掛けて、次第にその様相を変えながら、再び注目を集めるようになって来ている。 その不用品回収 がホームシアター等に代表される娯楽家電機器の流行に見られる。これら機器は相互に接続して初めてその機能を発揮するが、様々なAV機器は非常に多くのコネクターを持ち、その配線は一般の消費者には理解し辛い。また地上デジタル放送対応機器(いわゆる「デジタル家電」)は従来の機器と異なり、接続の他に様々な初期設定が必要である(取扱説明書が目的別に分割されていること、新しい専門用語が多数出てくること、さらに従来のアナログ機器にはなかった新しい項目が加わって昔より設定項目が増えたことから、接続や初期設定はアナログ時代と違って素人には年々難しくなっている)。さらに、個々の技量により、可能な業務をパソコンのLAN配線など家電の範疇を超える煩雑な業務まで広げている店舗もある。 このような機器の設置工事においては、購入した家電の配送までしか対応しない家電量販店よりも(量販店では設置・接続・初期設定の作業まで依頼すると出張手数料が別にかかることが多い)、地域に密着して信頼のある「街の電器屋さん」に依頼するケースも増え、中高年層を中心に、これを通じて次第に家電量販店から「街の電器屋さん」へと回帰する傾向も見られる。 元々、街の電器屋さんは、様々な形態があり、電気工事店としての側面を併せ持つことも多く、中には主要業務がむしろその方面であることも少なくない。経営者ないし従業員もノウハウの差こそあれ、第二種電気工事士の資格を持つ者がほとんどであり、さらに様々な資格を持ち、家電の枠に収まらないこともある。特に、ブロードバンド時代となってきたため、BS/CS110/地上デジタル受信可能な機器等では電話回線用モジュラージャックやLAN用10/100BASE等のモジュラージャックがついているため、増設・延長をすることが必要になってきた。既存の回線で分配できる場合は問題ないが、新規でブロードバンドを引く場合や屋内分配をする場合、状況によって工事担任者資格が必要になる。家電量販店では電気工事士の資格は持っていても、工事担任者の資格は持っていない場合が多く、NTTやNTT-MEの下請け等も引き受けている街の電気屋さんに依頼する場合が多い。 この他、高齢化によって余り出かけることの無い粗大ごみ や核家族化によって高齢者のみの世帯も増え、これらへの細かいケアが可能な「街の電器屋さん」では積極的にこれら消費者の元に出掛けて行き、メンテナンスを通じて信頼関係を築く方法も模索されている。 こういった動きを受けてか、一部の家電量販店では「街の電気屋さん」とフランチャイズ契約を結び、さらなる販路の拡大や大型店で販売した商品の細かいアフターケアに充てようとする者も現れるようになった。 さらに電機メーカー各社は、前述したパナソニックの「スーパープロショップ」制を皮切りに、系列店を「売り上げ増に一層意欲的な店舗のみ」に再編する施策を進めている。特にパナソニックは2007年度以降、販売の力点を量販店からパナソニックショップへ移行させ、団塊世代大量退職による新規顧客増に備えると共に、各種工事の注文がパナソニックショップ一カ所でまとめて可能な「ワンストップサービス」の充実も図る。またシャープもこれまでの「フレンドショップ」と呼ばれる自社系列店網を大規模再編して販促のノウハウ等を提供する新たな加盟店組織を発足させ、整体師 にシャープ製品販売に積極的な自社系列店を倍増させる計画を発表した(2007年11月16日金曜日、全国の地方紙朝刊記事で一斉報道)。東芝ストアーや日立チェーンストールなど他社の系列店数が全国で1万店未満なのに対し、パナソニックショップは店舗数が全国で1万8千店という日本最大の地域電器店ネットワークを誇っていることから、パナソニック側はこの長所を最大限に活かして今後の売り上げ増への足がかりとする計画である。同業他社もパナソニックの動きに追随する形で、遅まきながら系列店への販促支援を強化している。しかしパナソニック以外の他社では、後継者育成や従業員募集に未だ消極的である[1]。 少子高齢化時代を肯定的に「良きビジネスチャンス」と捉えて売り上げを倍増させる店と、後継者難・売り上げ大幅減から痛んだ看板交換・店内改装等の費用の捻出が出来ずに廃業する店との二極化が顕著である。売り上げの多い店は店内外の装飾・宣伝用幟を季節毎に変更したり、さらに色あせ・破損が生じた看板交換等の各種費用が自店売り上げの中から捻出可能だが、逆に売り上げ不振かつ後継者難の店は赤字で看板交換等の費用が自店の売り上げのみでは捻出し難いこともあってか、色あせ・破損した看板やショーウィンドー、売れ残っている数年前の旧商品等が交換・売却等されずに放置・店晒しされている傾向にある。 日本に於いては2000年代においてテレビ(ブラウン管式)・エアコン・冷蔵庫・洗濯機・パソコンを買換や引越などで廃棄処分する際は家電全般の家電リサイクル法やパソコンの資源リサイクル法の規定により、使用済み商品の再資源化、運搬、引き取りなどの諸費用(の一部)をユーザーがメーカーあるいは電器店に支払うことになっている。なお費用はメーカーや店舗により異なる。 これらは日本国内で1980年代以降、家電製品が「修理に出すより買い替えた方が安く付く」や「製品の陳腐化(旧態化)が激しく、壊れる頃が買い替え時」といった風潮から大量の家電製品が大量生産・大量消費されていた事がごみ問題を招いた所に負う部分が大きい。同法施行直前に駆け込み需要が見られたものの、施行後は一般家電の売上げ微減傾向も見られる。 電機メーカー各社では、顧客への営業・販促活動用として伝票(ポケット)サイズの「セールス用カタログ」を発行している。これは一般客向けのカタログやチラシとは異なり、一般客(部外者)が店外へ持ち出すことは禁止されている(店内閲覧のみに限定)他、問い合わせの際のPOSコードや部材製造元の連絡先が詳しく掲載されている。 電機メーカー各社では、旬の新製品情報をまとめて掲載した「特選品カタログ」を発行し、季節毎に行う展示会開催時に顧客へ配付している。なおこのカタログは各メーカーの系列電器店にのみ置かれ、量販店には置かれていない。 (修理・取付工事などへは顧客の都合に合わせて)電話1本ですぐ来てくれるので順番待ちが無く小回りが利き、簡単な修理はその場ですぐにしてくれる(自店で取り扱うメーカー以外の他社製品や他店購入製品修理も受付)。 店に足を運ぶのが難しい高齢者や遠方在住顧客の場合、小型商品や消耗品の配送・出張修理もしてくれる(ユーザー自身による持ち帰りにするか各家庭まで配送するかは顧客の都合などに応じて判断)。